オオムラサキ Sasakia charonda

クヌギの樹液を吸蜜するオオムラサキ♂
(美濃加茂市 2001.7.8)

占有行動をとるオオムラサキ♂
(美濃加茂市 2001.7.8)

吸蜜するオオムラサキ♂
(美濃加茂市 2001.7.8)

オオムラサキの越冬幼虫
(美濃加茂市 2006.12.14)

野外で始めて見つけたオオムラサキの幼虫
(美濃加茂市 2001.5.16)


形 態 前翅長43〜68mm。大型で日本を代表する国蝶とされる。裏面の地色は銀白色のものと、黄色のものがある。一般に西へ行くほど銀白色の型が多くなる。岐阜県に棲息するものは黄色。翅表は♂が青紫色に輝き、その中に白色斑、周辺に黄色斑をもつ。♀は♂より、たいてい大型、地色が黒褐色で白色斑と黄色斑がある。後翅の後角部には赤色斑をもつが、これを欠くもの(スギタニ型)がある。写真は♂
出現期 年1回発生。6月初めより羽化する。8月まで見られる。
生 態 ゴマダラチョウと混棲することが多く、低地の雑木林に棲む。飛び方は雄大、あまり羽ばたかず木の周りを滑空する。♂は占有行動をとり、同種の♂♀やときには鳥さえも追いかける。花に訪れることは少なく、クヌギ、ミズナラなどの樹液、腐果などに集まる。夜にもクヌギの樹液を吸っていることがある。
食 草 ニレ科のエノキ、エゾエノキを食べる。
幼 虫 体長60mm。ゴマダラチョウよりも大きく、背面の突起は4対である。頭部にも1対の突起を持つ。体色は緑色、越冬中は褐色に変わる。越冬後2回脱皮して終齢になる。
撮影手記 偶然、樹液の甘酸っぱい匂いがする洞のあるクヌギの木を見つけ、双眼鏡で覗いてみるとオオムラサキの雄が樹液を飲んでいました。自然の中で悠然と飛ぶ様子や翅を何度も広げたり閉じたりするオオムラサキを見るのは初めてのことで、とても感動しました。樹液の周りにはオオスズメバチやクワガタの姿もあり、昆虫を追いかけていた子供の頃を思い出し、懐かしさを感じる光景でした。
参考文献: 検索入門 チョウ@ 渡辺康之 著 HOIKUSHA 保育社