ヤマハハコ Anaphalis margaritacea var. angustior



ヤマハハコ
(白川村 2015. 8.7)



ヤマハハコ
(高山市 2013. 8.3)

中部地方以北の山地、高原などに生える多年草。崩壊地や山岳道路のふちなど、日のよく当たる乾き気味の礫地などに、大きなかたまりをつくっている姿をよく見かける。ときにもっと高いところや低いところにも姿を見せることもある。地下茎は横に長くのびる。茎は直立して高さ30〜60cmとなり、あまり枝分れせず、白い綿毛におおわれる。葉は細く、長さ6〜9cm、幅は1〜1.5cmでやや厚い。表面はつやのある緑色で、3本の葉脈が目立つ。裏面には白い綿毛が密生し、ふちはやや裏側に巻き込む傾向がある。頭花は茎の上部に散房状に多数かたまってつく。総苞片は白くかさかさして、うろこ状に重なり、ドライフラワーとしても美しく、よくみやげ物の押し葉のしおりに使われている。小花は淡黄色で雄しべと雌しべのそろった両性花の株と、雌しべだけの雌花の株とがあり、雌花だけの株が実る。ハハコグサにも両性花と雌花があるが、どちらも実る。このため、ヤマハハコという和名ではあるが、ハハコグサとは異なった属に分けられている。北アメリカから中国、ヒマラヤにかけて広く分布し、ヨーロッパには16世紀末に北アメリカから帰化している。
花期:8〜9月、生育地:山地

参考文献:「山渓カラー名鑑 日本の野草」山と渓谷社
               「葉でわかる樹木」625種の検索 馬場多久男 信濃毎日新聞社