ワタスゲ Eriophorum vaginatum



ワタスゲ
(飛騨市 2013. 7.20)

中部地方以北のミズゴケ湿原に生える多年草。多数の株が集まって群落となり、白い綿毛を風になびかせる光景は大変美しい。ワタスゲの名はその白い毛玉のような果穂からきたもので、また別名のスズメノケヤリは大名行列の毛槍を思わせる小さな果穂による。サギスゲとよく似ているが、根は横にはわず大株となり、茎につく葉は鞘状となる。茎の先につく小穂は1個だけで、果穂が球状になるなどの点で区別できる。茎は細くてかたく、高さ20〜50cm、小穂は花のころは卵形で長さ1〜2cm、灰黒色のりん片のある花が多数つく。果実は長さ2〜2.5mmの倒卵形、基部に絹糸状の花被片が多数あり、花のあとのびて長さ2〜2.5cmの毛玉状になる。
花期:6〜7月、生育地:高層湿原

参考文献:「山渓カラー名鑑 日本の野草」山と渓谷社
               「葉でわかる樹木」625種の検索 馬場多久男 信濃毎日新聞社