ウツボグサ Prunella vulgaris var. lilacina




ウツボグサ
(春日村 2003.7.13)

北海道〜九州、北半球の温帯に広く分布し、日当たりの良い草地に生える多年草。茎は四角で、根元から群がって生え、高さ20〜30cmになる。花が終わると根元から走出枝をだす。葉は対生し長さ1〜3cmの柄があり、長楕円状披針形。ふちには低い鋸歯がすこしある。茎、葉、花序に白色のあらい毛が生える。茎の先に長さ3〜8cmの花穂をだし、紫色の唇形花を蜜につける。苞はゆがんだ心形でふちに毛がある。萼には毛が生え、先端が5裂し鋭くとがる。花冠は長さ1.5〜2cm、下唇は3裂し、中央裂片のふちには鋸歯がある。雄しべは4個で2個が長い。和名は靫草で、花穂の様子が弓矢を入れる靫に似ているのでつけられた。枯れて黒くなった花穂は夏枯草といい、利尿薬にする。変種にミヤマウツボグサがあるが、走出枝をださず、全体がやや小形であるので区別がつく。
花期:6〜8月、生育地:山野

参考文献:「山渓カラー名鑑 日本の野草」山と渓谷社
               「葉でわかる樹木」625種の検索 馬場多久男 信濃毎日新聞社