セツブンソウ Eranthis pinnatifida



セツブンソウ
(いなべ市 2016.3.26)



セツブンソウ
(いなべ市 2016.3.26)



セツブンソウ
(いなべ市 2016.3.26)

日本特産で山地の木陰などに群生する小形の多年草。石灰岩地を好む。地下に球状で径1.3〜1.5cmの塊茎が1個ある。茎はまっすぐ、またはやや斜めにのび、高さ5〜15cmになる。根生葉は5〜10cmの長い柄があり、五角状円形で3全裂し、長さ幅とも3〜5cm、裂片は羽状に欠刻する。茎の先端につく苞葉は柄がなく、不ぞろいの線形片に分裂して、輪状に並ぶ。苞葉の中心から1cmくらいの花柄を1本直立し、その先端に白色でかわいらしい花を1個つける。花は径約2cm。花びら状に見えるのは5個の萼片である。花弁は5個あるが退化して目立たず、黄色の蜜腺になっている。雄しべは多数あり、葯は薄紫色。雌しべは2〜5個。袋果には短い柄があり、無毛で長さ約1cmの半月形で、先端はくちばし状となる。種子は大きく、褐色の球形で滑らかである。和名は節分草で、早春に寒さをしのいで芽をだし、節分のころ開花するのでこの名がある。初夏には地上部は枯れる。属名Eranthisはギリシャ語のer(春)とanthos(花)の意味。
花期:2〜3月、生育地:山地

参考文献:「山渓カラー名鑑 日本の野草」山と渓谷社
               「葉でわかる樹木」625種の検索 馬場多久男 信濃毎日新聞社