サンカヨウ Diphylleia grayi



サンカヨウ
(高山市 2013.8. 3)



サンカヨウ
(高山市 2003.8. 1)

深山の林のなかに生える多年草。サンカヨウの生育しているところにくると、いかにも深山に入ったという感じがする。根茎は横にはう。古い茎の基部が連なって残っているところから高さ50〜60cmの茎がでる。茎や葉に短毛がある。葉は2枚つき、下部の葉には長い柄があり、広い腎円形で、長さ20〜30cm、幅30〜35cm。上部の葉は下部のものより小さく、柄はほとんどない。どちらの葉も中央に深い切れ込みがあり、ふちには不ぞろいの鋸歯がある。茎の先には径2cmほどの白色の花を数個つける。萼片6個は早く落ちて、花が満開のころにはないことが多い。花弁は6個で広披針形。花のあと、濃い青紫色で白粉を帯びた楕円形の液果をつける。液果は長さ1〜1.3cm、甘味があり、中には数個の種子が入っている。和名は山荷葉で、漢名からきたものである。ただし、中国の山荷葉は別の植物だといわれる。
花期:5〜7月、生育地:深山

参考文献:「山渓カラー名鑑 日本の野草」山と渓谷社
               「葉でわかる樹木」625種の検索 馬場多久男 信濃毎日新聞社