ヤマトスジグロシロチョウ Pieris nesis

吸蜜するヤマトスジグロシロチョウ
(岐阜県某所 2013.7.26)



ヤマトスジグロシロチョウ
(岐阜県某所 2013.8.03)

形 態 前翅長18〜32mm。スジグロシロチョウより、裏面前後翅の黒条の幅が狭く、翅形が丸みがある。肩脈(黄色斑)がスジグロシロチョウは細長く湾曲するように伸び先端部が尖るが本種は不明瞭。
出現期 本州では4月上旬から10月にかけて、3〜4回の発生。寒冷地では年1〜2回。蛹で越冬する。
生 態 北海道では平地にも見られるが、本州ではおもに山地性で乾燥した明るい場所に棲む。タンポポ類、コンロンソウなどで吸蜜、♂は湿地に吸水集団を作る。
食 草 アブラナ科のコンロンソウ、イワハタザオ、スズシロソウなど。本州ではハタザオ属(ヤマハタザオ、ミヤマハタザオ、フジハタザオなど)を食べることが多い。
幼 虫 体長25mm。地色は濃い青緑色、体側に黄色斑紋をもつ。
撮影手記 オオイチモンジ♀の撮影のために当地を訪れ、下山途中で吸蜜する本種を見つけ撮影した。肝心なオオイチの♀は見る事はできたが、残念ながら撮影はできなかった。満足のいく写真ではないが、既に♀の撮影は昨年済ませていた事と、最近、年齢のせいか疲れやすくなったので、オオイチモンジの撮影は、この旅を最後に終了する事とした。(2013.7.26)
 備 考  近年,エゾスジグロシロチョウとして日本列島では北海道,本州,四国,九州に分布していた個体群のうち,北海道産を他の地域産とは別種として扱うようになった。そして北海道産をエゾスジグロシロチョウ,本州・四国・九州産をヤマトスジグロシロチョウと称している。
このため、エゾスジグロシロチョウの特性を基本に説明を記載。
参考文献:検索入門 チョウ@ 渡辺康之著 HOIKUSHA 保育社
参考文献:フィールドガイド 日本のチョウ 日本チョウ保全協会編