ウスバシロチョウ Parnassius glacialis

翅を休めるウスバシロチョウ
(揖斐郡春日村 2002.5.3)


形 態 前翅長26〜38mm。白色の半透明の翅を持つ。飛んでいるときは、シロチョウ科と紛らわしい。雌雄とも前胸部が橙色、腹部下面の毛も同色。♀は♂より胴体の毛が少なく、交尾をすませた♀は、腹部に袋状の交尾付属物をつける。日本海側の多雪地域では、地色が黒色をおびるウスバクロチョウになるものがあり、変異が大きい。
出現期 年1回の発生。早い所では4月の下旬から羽化を始め、おもに5月が最盛期。寒冷地では7〜8月にも見られる。卵(卵内初齢幼虫)で越冬する。
生 態 あまりはばたかず、滑空する。林縁の草地、畑、休耕田に棲み、ネギやアザミ類などで吸蜜する。卵は食草付近の枯れ枝や、小石に数個ずつ産まれる。
食 草 ケシ科のムラサキケマン、ヤマエンゴサク、エゾエンゴサクなど
幼 虫 体長40mm。黒褐色で、背面に2列の白色縦縞があり、その中に赤色斑をもつ。まゆの中で蛹化する。
撮影手記 モンシロチョウ程度の大きさとイメージしていたのですが、モンシロチョウより、一回りくらい大きく、ちょうど、ギフチョウくらいの大きさの蝶でした。飛び方もギフチョウのように、ふんわりとあまり羽ばたくことなく飛び、なかなか、とまってくれませんでした。白い翅に陽をすかしながら飛ぶ姿は春より夏の日差しが似合う蝶だという印象でした。
参考文献: 検索入門 チョウ@ 渡辺康之 著 HOIKUSHA 保育社