ウラゴマダラシジミ Artopoetes pryeri



ササの葉で翅を休めるウラゴマダラシジミ
(郡上市 2015.7.27)


ササの葉で翅を休めるウラゴマダラシジミ
(郡上市 2015.7.27)

翅を休めるウラゴマダラシジミ
(吉城郡上宝村 2006.7.22)


形 態 前翅長17〜25mm。ルリシジミの仲間に似るが、分類上はミドリシジミ属の一種。生態もそれに近い。裏面は灰白色、亜外縁に黒点列がある。翅表は、外縁に黒帯があり、内側はうす紫色。♀は♂より大型、紫色部が白色をおびる。黒帯の幅など、地域によって変異が見られる。
出現期 年1回の発生。他のミドリシジミ属より、早く、5月上〜中旬から羽化を始め、6月に多い。寒冷地、山地では7〜8月に見られる。卵(卵内初齢幼虫)で越冬する。
生 態 市外地にもいるが、これは植栽された食樹などで発生することによる。本来は、平地から低山地の渓畔、湿地などに棲む。日中は、ちらちらと林間を飛ぶことがある。あまり活発ではなく、ときおりイボタノキ、クリ、ウツギなどで吸蜜する。♂は午後から少しずつ飛び始め、夕方に活発になる。♀は食樹の周辺を緩やかに飛んで、日中、産卵行動をとる。
食 草 モクセイ科のイボタノキ(イボタ)、セイヨウイボタ(植栽されたもの)、ミヤマイボタ、ハシドイなど。それにムラサキハシドイ(ライラック)、ネズミモチ(常緑)も食べる。地域によっては嗜好性が異なる。低地ではもっぱらイボタノキ、高標高地ではミヤマイボタを食樹としていることが多い。北海道の平地(市街地)などでは、セイヨウイボタで発生する。
幼 虫 体長18mm。緑色で、背面の隆起が高く、幅が広い。胸部の背面に褐色斑をもつ。食樹の葉裏に静止し、アリがまとわりつく。
撮影手記 【2015.7.27】
目的の蝶は見つける事ができなかったが、偶然、ササの葉に止まる本種を見つけ撮影をした。前回の撮影では、翅裏しか撮影できなかったが、なんとか翅表を撮影することができた。

【2006.7.22】
目的の蝶は見つける事ができず、林道を下る途中で偶然見つけたウラゴマダラシジミを撮影した。翅表の紫色が美しい蝶なのだが、残念ながら翅表は撮影できなかった。
参考文献: 検索入門 チョウ@ 渡辺康之 著 HOIKUSHA 保育社