ウラギンスジヒョウモン Argyronome laodice



ウラギンスジヒョウモン
(飛騨市 2014.9.13)

形 態 前翅長28〜37mm。オオウラギンスジヒョウモンより小型で、よく混同される。また、ヒョウモンチョウ属にも一見似る。翅型は丸みをおび、前翅の外縁のくびれが小さい。後翅表の内側にある黒条は、各々黒色斑に分離する。前翅裏面の黒斑の間に白色斑をもつ。ヒョウモンチョウ属のような、後翅裏面基部には目立った斑紋がない。♂は前翅表の翅脈に沿って、2本の発香鱗条(性標)がある。♀は♂より大型、翅表の地色が黄色をおびる。
出現期 年1回の発生。暖地では、5月下旬〜6月初めから羽化。夏期にはほとんど活動せず、秋に再び活動する。山地、寒冷地では7月より羽化、夏期にも見られる。越冬態は卵(卵内初齢幼虫)、または1齢幼虫。
生 態 林縁、湿地周辺の草地に棲み、草の上を活発に飛ぶ。アザミ類、ヒヨドリバナ、シシウドなどで吸蜜、同じ花に何頭も集まることが多い。地上では吸水したり、動物の死体・排泄物で吸汁する。
食 草 スミレ科のタチツボスミレ、フモトスミレなど。
幼 虫 体長40mm。地色は灰褐色、棘状突起は灰白色。背面に2本の黄白色の縦縞がある。
撮影手記 はじめはオオウラギンスジヒョウモンとして掲載しましたが、親しくお付き合い頂いている方からご指摘を頂きウラギンスジヒョウモンと分かりました。少々、翅が欠けていることが残念ですし、他の蝶の撮影目的でたまたま、撮影できたものですのであまり鮮明な写真ではありませんので、綺麗な個体の撮影ができるまでこの写真を掲載することにしました。
参考文献: 検索入門 チョウ@ 渡辺康之 著 HOIKUSHA 保育社