ウラギンシジミ Curetis acuta

雨水を吸水するウラギンシジミ
(吉城郡上宝村 2002.9.15)


形 態 前翅長19〜27mm。夏型(高温期)は前翅端が丸みをおび、秋型(低温期)はとがる。裏面は銀白色、♂は翅表に赤色斑、♀は白色斑をもつ。成虫、幼生期の形態が他のシジミチョウ科とは異なり、ウラギンシジミ科として独立させることもある。
出現期 成虫で冬を越し、春に産卵する。第1回目の夏型は、6月ごろから羽化する。10月までに年2〜3回の発生。秋型は9〜10月に出現、11〜12月には越冬に入る。八重山諸島ではほぼ周年発生する。
生 態 市街地でも見られ、クズのマント群落周辺に多い。低山地の林縁にも棲む。くるくると旋回するように飛び、地上によくとまる。湿地で吸水したり、腐果や腐肉(動物の死体)、排泄物で吸汁する。セイタカアワダチソウなどで吸蜜することがある。おもに常緑樹の葉裏で、冬を越す。同じ木に数頭かたまることがある。
食 草 マメ科のクズ、フジ、タイワンクズ、クロヨナ。
幼 虫 卵は白色で、背の低いまんじゅう型。直径1mm内外。表面に多角形状の網目もようをもつ。終齢(4齢)幼虫は体長20mm。黄緑色や赤紫色、食べる植物によって色彩変異がある。他のシジミチョウ類のように扁平ではなく、背が高い。尾部に1対の長い突起をもち、尾端のほうが頭部のように見える。刺激を与えると、突起からブラシ状の伸縮突起を出し入れする。蛹は体長15mm。腹面が平面状の半球型。背面に黄褐色のスペード紋をもつ。
撮影手記 目的の蝶は時期的に遅く撮影することは出来ませんでした。下山途中にウラギンシジミが岩場の雨水を吸水していたので撮影しました。翅を閉じた姿は銀色の三角形で箔押しした和紙のような感じです。
参考文献: 検索入門 チョウ@ 渡辺康之 著 HOIKUSHA 保育社