トラフシジミ Rapala arata

翅を休めるトラフシジミ(春型)
(揖斐郡坂内村 2001.7.8)

トラフシジミの表翅(春型)
(山県市 2013.6.23)


形 態 前翅長16〜21mm。季節型があり、春型は裏面の地色が灰白色、褐色の縦縞がある。後角は橙色、尾状突起をもつ。夏型は地色が褐色、やや濃色の縦縞が目立たない。翅表は青紫に輝き、♂は後翅表の前縁基部に半円型(灰白色)の性標がある。
出現期 年1〜2回の発生。第1回目の春型は4月初めから現れ、山地や寒冷地では6〜7月にも見られる。第2回目の夏型は部分的で、7〜8月に羽化する。年1化で終わることが多く、一部が夏型として出現すると考えられる。北海道中部などの寒冷地でも夏型が羽化することがあるが、毎年とは限らない。幼虫時代の短日条件下で休眠蛹となり、長日条件では休眠せずに夏型として羽化するとされる。その他、気温なども影響すると思われる。
生 態 低山地の林縁、渓流沿いに棲む。林縁を活発に飛び回り、地上によくとまって吸水する。ウツギ、ヒヨドリバナ、クリなどで吸蜜する。
食 草 ユキノシタ科のウツギ、マメ科のクズ、フジ、ミズキ科のミズキ、バラ科、ツツジ科、クロウメモドキ科、シナノキ科などの花や果実を食べる。
幼 虫 体長17mm。体色は食樹の花の色によって異なる。緑色、紅色をおびるもの、灰白色など変異がある。各節にハの字型の斜白帯がある。
撮影手記 子供と一緒にホハレ峠までトレッキングしました。当地では「サカハチチョウ」、「ウスバシロチョウ」、「ルリタテハ」、「ミヤマカラスアゲハ」などが飛んでいました。新緑の林道を気持ち良く歩いていた私たちの前を「トラフシジミ」が横切り、運良く近くの草つきで翅を休めてくれたので、鮮明な写真を撮影することができました。
参考文献: 検索入門 チョウ@ 渡辺康之 著 HOIKUSHA 保育社