タカネキマダラセセリ Carterocephalus palaemon



タカネキマダラセセリ
(岐阜県某所) 
 

タカネキマダラセセリ
(岐阜県某所)

タカネキマダラセセリ
(岐阜県某所)
 
タカネキマダラセセリ
(岐阜県某所)

形 態 前翅長14〜17mm。♀は♂より翅表の黄色斑が発達する傾向がある。前翅表の外縁に沿って黄色斑列が明瞭。しかし、斑紋のちがいは少ない。南アルプス産は北アルプス産より翅型が横長で後翅表中室の黄色斑が小さくなる。
出現期 融雪の遅速によって、出現期に幅がある。早い所では、6月上〜中旬より羽化を始める。ふつうは6月下旬から7月にかけて多く、8月にも羽化する個体を見る。8月中旬にはほとんど姿を消す。同じ地域でも、羽化期にばらつきが生じる。1年目の冬は2〜3齢幼虫で越冬、2年目は終齢(5齢)幼虫で冬を越し、3年目にようやく羽化する。
生 態 亜高山帯の渓畔、涸れ沢、林縁などに棲む。素早く飛び、♂は蝶道のようなものをつくる。ヒヨドリバナ、ハクサンフウロ、クガイソウなどで吸密する。
食 草 イネ科のイワノガリヤス。
幼 虫 体長30mm。頭部は1〜2齢が黒色、3齢は褐色、4齢以降は黄緑色、胴部は若齢が黄白色、中〜終齢が黄緑色。葉を巻いて巣をつくり、数枚の葉をつづり合わせることがある。終齢(5齢)は越冬巣をつくり、体色が黄色をおびる。翌年5月ごろから越冬よりさめ、食をとることなく蛹になる。
撮影手記 上2枚:『夢見ぬ蝶愛好家の部屋』石渡さん提供

下2枚:現地に着くとすぐに姿を現してくれたので、何枚かの写真を早々に撮影する
    ことができた。若干、擦れかかっているものの、綺麗な個体を撮影すること
    ができ満足している。これで、高山蝶8種の生態撮影を完了したがクモベニ
    については擦れた個体だったので撮り直したいと考えながら下山した。
参考文献: 検索入門 チョウ@ 渡辺康之 著 HOIKUSHA 保育社