オオミドリシジミ Favonius orientalis



オオミドリシジミ
(関ヶ原 2018.6.24)



オオミドリシジミ
(関ヶ原 2018.6.24)
 

クリの花に吸蜜するオオミドリシジミ
(関ヶ原 2018.6.24)


形 態 前翅長17〜23mm。他のミドリシジミ類と比較して、特に大型というわけではない。北海道や本州では、一般に低地でもっとも普通に見られるミドリシジミ類のひとつ。裏面の地色は灰白色、後角の橙色斑は2つに分離する。尾状突起は長い。裏面の白色条は細く鮮明。北海道産は小型、裏面が白色をおびる。♂は翅表が緑色に輝き、後翅外縁の黒帯は細い。♀は黒褐色、前翅に黄白色斑をもつ。
出現期 年1回の発生。低地では6月初めから羽化、同中旬〜下旬に多い。寒冷地、山地では7月より現れ、8〜9月まで見られる。越冬態は卵(卵内初齢幼虫)。
生 態 平地から山地まで広く見られ、低地のコナラなどの雑木林、山地のミズナラ・カシワ林に棲む。また、暖地では常緑広葉樹林(照葉樹林)にもいる。♂は朝から活動を始め、林縁の枝上で占有行動をとる。昼ぐらいまでさかんに飛び、近づいてくる他の個体を追い払う。地上で吸水したり、クリの花などで吸蜜する。♂は稜線や山頂に飛来する性質がある。♀はあまり活発に飛ばない。本種の場合、他の種類と異なり、産卵するのは、ひこばえや実生の数十cmの高さしかない小木である。暗い林内を低く飛び、枝の分岐部に1個ずつ産卵する。
食 樹 ブナ科のコナラ、クヌギ、ミズナラ、カシワ、ナラガシワ。常緑樹のアラカシ、アカガシなども食べる。食性は比較的広い。
 幼 虫  体長19mm。灰褐色で、背面に明色の斑紋がある。葉脈、葉柄にかみ傷をつけ半ば枯らして巣をつくり、その中に静止する。枯れた部分の色によく似ている。
撮影手記 ダイセンを目的に当地を訪れたが、見ることができたのは、ミズイロオナガシジミとこのオオミドリシジミであった。ただ、オオミドリシジミは未撮影であったので、一応の成果をえることができた。
参考文献: 検索入門 チョウ@ 渡辺康之 著 HOIKUSHA 保育社