ムラサキシジミ Narathura japonica

日光浴をするムラサキシジミ
(美濃加茂市山之上町 2003.3.2)


形 態 前翅長14〜22mm。尾状突起をもたない。裏面は褐色、濃色の斑紋がある。翅表は青紫色に光り、外縁に幅広い黒帯がある。♂は♀より青紫色部が広く、♀は青色部が♂より明るい。
出現期 成虫で越冬、春に産卵する。第1回目の成虫は6月に羽化、以後10月まで年2〜4回の発生。八重山諸島ではほぼ周年見られ、秋には個体数が多い。
生 態 アラカシなどの常緑広葉樹林(照葉樹林)に棲む。社寺林、雑木林にもいる。林縁をちらちらと飛び、葉表にとまる。地上で吸水することが多い。訪花性はあまりないが、越冬前後はセイタカアワダチソウ、アブラナなどで吸蜜することがある。冬でも暖かい日には活動する。数頭かたまって枯葉の間などで越冬する。ムラサキツバメのような大きな集団はつくらない。
食 草 ブナ科のアラカシ,ウバメガシ,ウラジロガシなどの常緑樹。コナラ,クヌギなどの落葉樹も食べる。
幼 虫 体長18mm。黄緑色で扁平なわらじ型。葉を巻いて巣をつくる。たいていアリが幼虫にまとわりつく。
撮影手記 雑木林の周辺では比較的よく見かける蝶です。いつもは、すばやく飛び回り、なかなか、シャッターチャンスを与えてくれないのですが、この日は意外にすんなりと撮らせてくれました。前翅・後翅の紫色がとても美しい蝶でシジミチョウの中では私の好きな蝶の1つです。
参考文献: 検索入門 チョウ@ 渡辺康之 著 HOIKUSHA 保育社