モンシロチョウ Pieris rapae

イヌタデの花に吸蜜するモンシロチョウ
(海津郡海津町 2002.8.14)


形 態 前翅長20〜30mm。よく知られている種ではあるが、スジグロシロチョウなどに似た種がいるので、同定には注意が必要。前翅表に2つ、後翅表に1つの黒紋があり、春型では後者の紋がうすくなる。翅脈は白色、外縁に黒斑をもたない。♀は♂より前翅基部が黒い。
出現期 本州中部では3月20日ごろから羽化を始め、11月まで6〜7回発生を繰り返す。寒冷地では4〜10月にかけて、年3〜4回。南西諸島では高温期に数が少ない。蛹で越冬する。
生 態 キャベツ、ダイコン畑あるいは庭園などでたくさん見られる。日当たりの良い開けた場所に棲み、耕作地が広がるとともに本種も分布を拡げた。春はアブラナ、ダイコン、タンポポ類、夏はヒャクニチソウ、アザミ類、秋にはコスモス、センダングサ類、セイタカアワダチソウなどの花で吸蜜する。♂は湿地で吸水することもある。
食 草 主にアブラナ科植物を食べ、キャベツ、ダイコン、カブラなどの害虫として有名。ワサビ、アブラナのほか、イヌガラシ、タネツケバナなどの雑草も食草とする。フウチョウソウ科のセイヨウフウチョウソウ(栽培種)も食べることがある。
幼 虫 卵は乳白色の紡錘型で、高さ0.8mm。幼虫は体長30mm、黄緑色のアオムシ。蛹は頭部に突起をもち、体長22mm。地色は緑色や褐色である。
撮影手記 一般的にはギフチョウよりも春のイメージキャラクタとして愛されるモンシロチョウ。一方ではキャベツやダイコン畑の害虫として悪名高い蝶ですが、草むらでヒラヒラ飛ぶ様子はとても愛らしいものです。
参考文献: 検索入門 チョウ@ 渡辺康之 著 HOIKUSHA 保育社