メスグロヒョウモン Damora sagana



アザミで吸蜜するメスグロヒョウモン(♂)
(山県市 2014.6.7)



アザミで吸蜜するメスグロヒョウモン(♂)
(山県市 2014. 6. 7)

形 態 前翅長30〜40mm。♂と♀ではまったく斑紋が異なる。♀の翅表はイチモンジチョウ類の斑紋に似る。地色は黒褐色、前後翅に白色斑がある。初心者はよく、オオイチモンジとまちがえる。♂は他の大型ヒョウモン類に似る。翅表の黒斑は小さく、前翅表に4本の発香鱗条をもつ。後翅裏面の白色条は、直線状になる。
出現期 年1回の発生。暖地では6月の初めから現われ、夏期には山地・寒冷地を除いて姿を消すが、樹林内やその周辺で見ることがある。秋に再び姿を見せる。羽化後すぐに交尾する場合と、秋にも交尾を行う場合がある。♀は晩秋まで見られ、産卵行動をとる。1齢幼虫で越冬する。
生 態 雑木林の周辺に棲み、活発に飛び回る。クリ、ウツギ、オカトラノオなどで吸蜜。地上で吸水する。
食 草 スミレ科のタチツボスミレ、ツボスミレなど。
幼 虫 体長45mm。地色は黒色、前胸部の突起が長い。胴部には棘をもつ。
 撮影手記 昨年、撮影した個体はすれていたため、今年は新鮮な個体を求め、山県市を再び訪れた。訪れたポイントにはウラギンヒョウモンが多く、メスグロヒョウモンは、この♂と♀の各1頭を見ただけであった。やはり、この種も個体数が少ないのだろうか。美しい写真を撮影することができたので、今回でメスグロヒョウモンの追跡は終了しようと思う。
参考文献: 検索入門 チョウ@ 渡辺康之 著 HOIKUSHA 保育社