クロツバメシジミ Tongeia fischeri

 

クロツバメシジミ
(大分県)
 

クロツバメシジミ
(大分県)
 

クロツバメシジミ
(大分県)


形 態 前翅長10〜16mm。♂♀ともに翅表は黒褐色、後翅亜外縁に小さい青色斑をもつことがある。裏面は淡褐色、ツバメシジミより小黒点は多く、斑紋が大きい。尾状突起は短い。♀は♂より大型、前翅が丸みをおびる。
分 布  本州(関東地方西部以西)、四国、九州(壱岐・対馬をふくむ)。分布は局地的。西日本に産地が多い。
出現期 本州の暖地では、4月下旬から10月ごろにかけて、年3〜5回の発生。越冬は各齢の幼虫(2〜4齢)で行う。
生 態 おもに露岩地、河原に棲み、石垣や古いわらぶき屋根などにもいる。棲息地の周辺をあまり離れず、食草の花、ヒメジョオン、メドハギなどで吸密する。また、地上で吸水する。
食 草 ベンケイソウ科のツメレンゲ、イワレンゲ、マンネングサなど。
幼 虫 体長12mm。緑色で、背線とふちどりが赤褐色。地色が紅色をおびる個体もある。
県内の状況

岐阜県下のクロツバメシジミの棲息地は局地的で、狭い範囲でしか棲息しておらず、10数年前に突然、棲息が確認されていた数か所とも、ほぼ同時期に見られなくなった。それから、10年以上経過し、県内外の愛好者による度重なる調査にも関わらず再発見されていない。このような状況から、恐らく岐阜県内のクロツバメシジミは絶滅状態と考えられる。日頃からお世話になっている石綿さん(夢見ぬ蝶愛好家の部屋』)からのご厚意で大分県で撮影されたクロツバメシジミの写真を提供頂いたので参考に掲載させて頂く。

参考文献: 検索入門 チョウ@ 渡辺康之 著 HOIKUSHA 保育社