クロアゲハ Papilio protenor

岩の清水を吸水するクロアゲハ
(揖斐郡谷汲村 2003.8.7)


形 態 前翅長45〜70mm。ふつうは尾状突起をもつが、沖縄諸島より南では尾が短くなり、ほとんど無尾のものも見られる。♂は後翅表の前縁に黄白色の斑紋(性標)がある。♀にはこれがなく、後翅表の赤色斑が発達する。特に八重山諸島産では、外縁にそって赤色斑がならんだり、さらにその内側にも赤色斑が現れることがある。
出現期 本州の暖地では、4〜9月にかけて、年3〜4回、寒冷地では年2回ぐらいの発生。越冬態は蛹。八重山諸島ではほぼ周年見られる。
生 態 都市近郊から山地の原生林まで広く見られ、アゲハチョウよりは、いくぶん山地性である。♂は林縁に蝶道をつくり、湿地で吸水する。ツツジ類、オニユリ、クサギなどで吸蜜する。
食 草 ミカン類のウンシュウミカン、ユズなどの栽培ミカン類、カラタチ、カラスザンショウ、テリハザンショウ(南西諸島)など。
幼 虫 体長55mm。緑色で胴部に2本の褐色斜帯がある。臭角は紅色。
撮影者 MIHOさん
手 記 日頃からお世話になっているMIHOさんから投稿頂いた写真をご好意により、掲載させて頂きました。躍動感があり、とても美しく撮影されたクロアゲハ。MIHOさんに感謝致します。
参考文献: 検索入門 チョウ@ 渡辺康之 著 HOIKUSHA 保育社