コキマダラセセリ Ochlodes venatus

アザミの花に吸蜜するコキマダラセセリ
(高山市 2006.7.15)


形 態 前翅長15〜20mm。触角の裏面は、黒褐色と黄色のまだらもよう。♂は地色が橙赤色。前翅の中室下に黒色の性標がある。外縁に沿う黒褐色帯は不明瞭。♀は茶褐色、小さな黄色斑をもち、横長の形状をしている。
出現期 年1回の発生。6月の中旬から羽化を始め、7〜8月に見られる。中齢幼虫(3〜5齢)で越冬する。
生 態 河原、林縁の草地に見られ、湿原や広い草原にも棲む。草の上を敏速に飛び、オカトラノオ、アザミ類、ウツボグサ、クサフジ等で吸蜜する。♂は湿地で吸水したり、動物の排泄物で吸汁する。
食 草 イネ科のススキ、イワノガリヤス、オーチャードグラス、ヤマカモジグサなど。カヤツリグサ科のヒカゲスゲ、ショウジョウスゲほか、タケ科のミヤコザサも食べる。広い食性をもち、地域や棲息環境によって、食草が異なる。
幼 虫 体長40mm。頭部は褐色、濃色のふちどりもようをもつ。胴部は黄緑色。終齢は5〜7齢に達するとされる。
撮影手記 目的の蝶を撮影後、下山途中の林道で見つけ撮影をしました。ジョウザンなどのゼフ類は見かけませんでしたが、ヒョウモン、セセリ類は結構飛んでいました。今年は、長年追い求めていた念願の蝶が撮影でき、ひと段落した思いで足取りも軽く余裕をもって下山できました。
参考文献: 検索入門 チョウ@ 渡辺康之 著 HOIKUSHA 保育社