キタテハ Polygonia c-aureum

クチナシの葉で翅を休めるキタテハ
(羽島郡柳津町 2001.10. 6)


形 態 前翅長22〜34mm。季節型があり、夏型は地色が黄褐色、翅の切れ込みが少ない。秋型は赤燈色で切れ込みが大きい。写真は秋型。♀は♂より大きく、翅型が横長になる。
出現期 暖地では4〜5回発生。第1回目の夏型が5月中〜下旬に羽化する。秋型は9月中旬以降に見られ成虫で冬を過ごす。冬でも暖かい日には飛ぶことがある。寒冷地では年2〜3回の発生。
生 態 河原、荒れ地などの開けた場所に棲む。市街地にも見られ、食草が帰化植物に限られるため、大陸から食草とともに移入されたものか、飛来して分布を拡げたとする意見がある。地表低くを活発に飛び回りクヌギの樹液を吸ったり、動物の排泄物などで吸汁する。
食 草 クワ科のカナムグラが主。カラハナソウとその栽培種ホップ、アサなども食べる。
幼 虫 体長35mm。胴部は黒褐色で、黄褐色の棘をたくさんもつ。食草の葉の一部をかじり、糸を吐いて巣を作る。
撮影手記 我家の庭にあるクチナシの木に偶然訪れたところを撮影しました。最近ではマンションなどがあちこちに建ち、自然が損なわれつつあることに寂しさを感じていましたが、こんな近くにキタテハが棲息していることが確認でき、なんとなく、ホットさせられました。
参考文献: 検索入門 チョウ@ 渡辺康之 著 HOIKUSHA 保育社