キアゲハ Papilio machaon

マツムシソウに吸蜜するキアゲハ
(大野郡高根村子の原高原 2002.9.1)


形 態 前翅長36〜70mm。アゲハチョウによく似ており、地色が黄色、前翅表基部が黒色。春型は小型で黄色が淡い。夏型は♀は♂よりずっと大きく、前翅表の基部にある黒色部が広がる。
出現期 3〜4月から11月ごろまで、年3〜4回の発生。寒冷地、とくに高標高地では7〜8月に春型が見られ、年1回の発生に終わることがある。蛹で越冬する。
生 態 明るい開けた畑や草原に棲む。山の上にたくさんの♂が集まり、そこで占有行動をとる。♀が飛んでくると、すぐに交尾する。飛ぶ力が強く、食草がまったくない場所にも姿を現す。♂は地上で吸水することが多い。アザミ類、ヒャクニチソウ、ツツジ類などで吸蜜する。
食 草 セリ科のニンジン、ミツバ、パセリなどの栽培植物、同科のシシウド、シラネニンジンなど多くの野生種を食べる。ごくまれに、ミカン科やキク科を食草としていることがある。
幼 虫 若齢は黒褐色の地色に白色帯があり、4齢になると橙色斑が目立つようになる。終齢(5齢)では地色が黄緑色、黒色の横帯に赤い斑点がある。黒色部が広い個体も見られる。体長50mm。
撮影手記 目を疑うほど色鮮やかな明るい黄色の地にブルーのアクセントが眩しい、美しい蝶です。市街地でも良く見かけますが、子の原高原で見つけた、このキアゲハは一段と鮮やかに感じられました。この場所では、近くに立っていた小屋の扉あたりを低地よりも一回り大きいルリタテハが飛んでいましたが、撮影できませんでした。残念!!
参考文献: 検索入門 チョウ@ 渡辺康之 著 HOIKUSHA 保育社