ヒョウモンチョウ Melitaea scotosia

ヒョウモンチョウ(♂)
(榛名高原 2016.7.7)

ヒョウモンチョウ(♀)
(榛名高原 2016.7.7)


形 態 前翅長21〜31mm。大きさには変異がある。外縁は直線状、翅型が縦長である。翅表の黒色斑は小さく、黒色斑の間隔が広い。後翅裏面の赤紫色部はうすく、黄色をおびる。翅表の地色は、黄色みが強い。♀は♂よりやや大きく、翅型が丸みをおびる。また、黒色斑が発達する。
出現期 年1回の発生。6月下旬から7月下旬にかけて現れ、8月まで見られる。卵(卵内初齢幼虫)で越冬。
生 態 ゴマシジミがいるような乾いた草原、湿原に棲み、コヒョウモンより明るい開けた環境を好む。ゆるやかに草の上を飛び、棲息地からあまり離れない。ホザキシモツケ、カセンソウ、アザミ類などで吸密する。地上で吸水することもある。
食 草 バラ科のワレモコウ、ナガボノシロワレモコウ。同科のオニシモツケも食べる。
幼 虫 体長35mm。地色は褐色。頭部に1対の短い突起をもつ。棘状突起は黄褐色。背面と側面に白色の縦縞がある。終齢(5齢)幼虫は、日中には食草付近の枯れ葉の下などに隠れ、夕方から夜間にかけて食草に登り接食する。
撮影者 県内では絶滅してしまいましたが、オオムラサキの飼育で大変お世話になった栃木県足利市の渡良瀬川流域の山々に生息している蝶を始め花・鳥・山を美しい写真と共に紹介されている『ネイチャーフォト私と自然』の田村直樹氏より提供頂きましたので掲載させて頂きました。
参考文献: 検索入門 チョウ@ 渡辺康之 著 HOIKUSHA 保育社