ホソバセセリ Isoteinon lamprospilus

 

ホソバセセリ
(明智町 2016.7.30)
 

ホソバセセリ
(明智町 2016.7.30)

翅を休めるホソバセセリ
(美濃加茂市山之上 2002.7. 8)



形 態 前翅長16〜21mm。翅表は黒褐色、前翅に白斑をもつ。裏面の地色は黄褐色、とくに後翅の銀白紋が目立つ。♀は♂よりやや大きく、翅表の白斑が横長になる。
出現期 ふつう年1回の発生、6月下旬から羽化を始め、7〜8月に見られる。暖地では2回目が羽化することがあり、8〜9月に見られる。中齢幼虫で越冬する。
生 態 雑木林内の草地、林縁に棲む。成虫は暗い林内にも飛んでくる。他の茶色セセリ類(イチモンジセセリなど)よりはいくぶん緩やかに飛び、アザミ類やオカトラノオ、ハギ類などで吸蜜する。♂は湿地に降りて、吸水することが多い。林内の陽だまりで翅を少し開いてとまるのをよく見る。吸蜜時にはたいてい翅を閉じている。
食 草 イネ科のススキが主。オオアブラススキ、チガヤなども食べる。
幼 虫 体長35mm。キマダラセセリに似る。頭部の地色は黒色、ハ字型の黄褐色斑がある。胴部は褐色をおびた黄緑色。尾端に黒斑をもたない。ススキの葉を巻いて巣をつくる。中齢(2〜3齢)幼虫は頭部が黒色、巣の両端を閉じて越冬する。
撮影手記 【2002年7月8日】
昨年、オオムラサキを見つけた場所へ向かう途中に見つけ撮影しました。翅を開くと、黒褐色の地に前翅だけに白い斑紋があり、セセリチョウとしては比較的緩やかに飛ぶ蝶です。翅を閉じて止まると写真のように明るい黄褐色に銀白紋が映えて美しい蝶です。

【2016年7月30日】
クロヒカゲモドキの撮影のため当地を訪れ、現地に到着早々に見つけた個体を撮影しました。本命のクロヒカゲモドキには出会うことがありませんでしたが、ホソバセセリのまあまあの写真が撮れました。

参考文献: 検索入門 チョウ@ 渡辺康之 著 HOIKUSHA 保育社