ヒメキマダラセセリ

ヒメキマダラセセリ　Ochlodes ochraceus

キツネノマゴの葉で翅を休めるヒメキマダラセセリ
（揖斐郡谷汲村　２００３．８．１９）

形　態	前翅長１２～１７ｍｍ。♂の地色は橙赤色、外縁の黒褐色帯と暗色の翅脈が明瞭。前翅表の中室下に、黒褐色の斜条性標をもつ。コキマダラセセリよりも小型。♀は地色が茶褐色、黄白色斑が散布する。亜外縁の２つの紋が外側にずれない。
出現期	山地、寒冷地では年１回の発生、７～８月に出現する。低地では５～６月、８～９月の年２回発生する場合と、年１回しか羽化しないこともある。１回と２回が混じる地域も見られる。亜終齢または終齢（７～８齢）幼虫で越冬するとされる。
生　態	明るい草原にも見られ、ふつう樹林の周辺、渓流沿いなどに棲む。日中、草地の上を敏速に飛び、ウツボグサ、ウツギ、ヒヨドリバナ、アザミ類などで吸蜜する。湿地で吸水することも多い。獣糞にも集まることが知られている。
食　草	イネ科のチヂミザサ、ヤマカモジグサ、アシボソ、カヤツリグサ科のテキリスゲなど
幼　虫	体長３５ｍｍ。頭部は黄褐色、くまどりのような濃色の斑紋がある。若齢時は黒色で、模様はない。胴部は黄緑色。終齢は１枚の葉を巻いたり、数枚の葉を吐糸でつづって巣をつくる。
撮影者	ＭＩＨＯさん

参考文献：　検索入門　チョウ①　渡辺康之著 HOIKUSHA 保育社