ヒメギフチョウ Luehdorfia puziloi

日の光に羽化を伸ばすヒメギフチョウ
(岐阜県某所 2008.5.16)

産卵されたヒメギフチョウの卵
(岐阜県某所 2008.5.16)

ヤマエンゴサクに吸蜜するヒメギフチョウ(1)
(岐阜県某所 2008.5.16)

ヤマエンゴサクに吸蜜するヒメギフチョウ(2)
(岐阜県某所 2008.5.16)

ヤマエンゴサクに吸蜜するヒメギフチョウ(3)
(岐阜県某所 2008.5.16)


形 態 前翅長26〜32mm。ギフチョウよりたいてい小型、翅型が丸みをおびる。本州産は黄色部が広く、北海道産は逆に黒色部が発達し、尾状突起が短い。♀は♂よりやや大きく、胴体の毛が少ない。ギフチョウとよく似るが、ヒメギフチョウは後翅表の亜外縁に黄色斑がある。翅表の外側にある黄色斑が一列に並ぶ。♀の交尾付属物は茶褐色、まん中に長いへら状の突起がある。
出現期 年1回、4月上旬から現れ、おもに4月中〜下旬が最盛期。ギフチョウとの混棲地では、ヒメギフチョウのほうが1週間ほど羽化が早い。蛹で越冬する。
生 態 ギフチョウよりも山地性、落葉広葉樹林に棲む。北海道では平地にも見られる。ゆるやかに低く飛ぶことが多く、カタクリ、スミレ類などで吸蜜する。
食 草 ウマノスズクサ科のオクエゾサイシン(北海道と青森県の一部)、ウスバサイシン(本州)。
幼 虫 体長35mm。体側に黄色斑がある。雑交個体も黄色斑をもつので、混棲地では要注意。
撮影手記 2008年5月16日、休暇をとってヒメギフチョウの撮影に出掛けた。2006年、2007年も同じ場所を訪れてはいたが、時期が合わず撮影が出来ずじまいであった。3年目にしてようやく、ヒメギフチョウの撮影に成功し、また、運良くウスバサイシンに産卵されたヒメギフの卵も撮影することができた。天候が良く雪渓が残る山々がとても美しく見え、心地よい時を過ごす事ができた。
参考文献: 検索入門 チョウ@ 渡辺康之 著 HOIKUSHA 保育社