ゴマシジミ Maculinea teleiu

ゴマシジミ
(岐阜県某所)

 
カライトソウに産卵するゴマシジミ
(岐阜県某所)
 

ゴマシジミ
(岐阜県某所)


形 態 前翅長14〜28mm。裏面の灰白色、褐色をおびるものがあり、小黒点が散布する。大きさには変異があって、高地や寒冷地では小型。翅表は外縁が黒褐色、内側が青色である。黒点の大きさ、数には個体差がある。♀は♂よりたいてい青色部がせまく、全体が黒褐色の個体も見られる。
出現期 年1回の発生。7月中〜下旬より羽化、8月に多い。9月に羽化する場所もある。終齢(4齢)幼虫で越冬する。
食 餌 4齢幼虫までは、バラ科のワレモコウ(本州、九州)、ナガボノシロワレモコウ(東北地方、北海道)、カライトソウ(本州高地)の花を食べる。体長4mmぐらいに成長すると、食草を離れて歩き回る。そしてシワクシケアリに出合い、アリによってその巣に運ばれる。アリの幼虫を少し食べて越冬に入る。翌年5月ごろより越冬からさめ、再びアリの幼虫、蛹を食べる。体色は最初、赤紫色であったものが次第に白色をおび、老熟すると乳白色になる。アリの巣の出口付近、もしくはアリの巣から出て地表で蛹になる。蛹殻から脱出して翅がのびるまで、7分とかからない。
幼 虫 体長14〜16mm。背面の隆起が高く、節間のくびれが大きい。他のシジミチョウ類よりずんぐりとした形状。幼虫の成長には、ばらつきが見られる。
撮影手記 現地に7時30分に到着。蝶の撮影には少々早いため、朝食をゆっくりとり景色を撮影。8時より周辺を探索。複数の個体を観察できることを期待していたが、ゴマシジミらしい個体が見つからない。諦めかけていたとき、カライトソウ近くに黒っぽい個体を見つけなんとか撮影することができた。翅表を撮影したかったが、直ぐにどこかに飛んで行き、撮影チャンスは2回しか得る事が出来なかった。
参考文献: 検索入門 チョウ@ 渡辺康之 著 HOIKUSHA 保育社