ギフチョウ Luehdorfia japonica

羽化したばかりのギフチョウ
(岐阜県某所 2002.3.25)

カタクリの花にとまるギフチョウ
(岐阜県某所 2005.4.9)

ギフチョウの卵
(岐阜県某所 2002.3.31)


形 態 前翅長27〜36mm。春型のアゲハチョウより小さく、黄色と黒色の縦縞模様がある。♀は♂よりやや大型で毛が少なく、♂と交尾した後には、腹部に交尾付属物がつく。ヒメギフチョウとよく似ており紛らわしい。前翅表の外側に並ぶ黄色斑の一番上が内側にずれる(ヒメギフチョウは一列に並ぶ)
出現期 年1回の発生。春のみ現れるので”春の女神”の別名がある。羽化の早い場所では、3月の下旬から出現する。一般に4月上〜中旬が最盛期となる。♀は♂より1週間ほど羽化が遅れる。山地や寒冷地では5〜6月にも姿が見られる。
生 態 おもに低山地の雑木林、スギの植林地に棲み、山地の落葉樹林にも見られる。アゲハチョウより遅く、地表を低く飛ぶことが多いが、♂は林縁に蝶道をつくり、活発に飛び回る。カタクリ、ショウジョウバカマ、スミレ類、サクラ類などで吸蜜する。♀は食草の葉裏に5〜10卵まとめて産卵する。夏までに蛹化して、そのまま蛹で越冬する。
食 草 ウマノスズクサ科のカンアオイ属(ヒメカンアオイ、コシノカンアオイ、ミヤコアオイなど)が主。フタバアオイ、ウスバサイシンも食べる。
幼 虫 中齢まで集団生活をする。終齢(5齢)は体長35mm。ビロード様の黒色、灰白色の長毛をもつ。
撮影手記 2002年3月25日、子供と一緒に「カタクリの花とギフチョウ」の撮影に出掛けました。あいにく、「カタクリ」にとまる「ギフチョウ」を撮影できませんでしたが、「カンアオイ」の自生地を訪れたところ、運良く羽化したばかりの「ギフチョウ」を撮影することが出来ました。
参考文献: 検索入門 チョウ@ 渡辺康之 著 HOIKUSHA 保育社