ウラミスジシジミ(ダイセンシジミ) Wagimo signatus

 

ウラミスジシジミ
(可児郡御嵩町 2021.6.6)
 

ウラミスジシジミ
(可児郡御嵩町 2021.6.6)


形 態 前翅長14mm〜21mm。裏面は赤橙色、後角は橙色。銀白線の細帯がある。これが直線状に並ぶquercivorus(ケルシボス)型と、基半部の白帯が乱れいろいろな模様になるsignatus(シグナトゥス)型がある。後者は、中部地方以北に分布する。♂は♀より翅表の紫色が強く光り、♀は前・後翅の紫色部が広がる傾向がある。
出現期 年1回の発生、6月中旬より羽化を始め、山地や寒冷地では7〜8月に見られる。♀は9月ごろまで生き残る。卵(卵内初齢幼虫)で越冬する。
生 態 暖地ではコナラ、クヌギ、ナラガシワなどの雑木林、寒冷地ではミズナラ、カシワ林に棲む。日中はあまり飛ばず、林縁の葉表などに静止する。午後3時頃から活動を始め、夕方には活発に飛び回る。交尾もこの時間帯に行い、樹上で交尾しているのが観察されている。クリ、ノリウツギなどで吸密することがある。
食 草 ブナ科のコナラ、クヌギ、ミズナラ、カシワ、ナラガシワなど。
幼 虫 体長17mm。胴部の地色は鮮やかな緑色。背面の前部と背線が灰褐色、尾端近くが外側に突き出る。蛹化が近くなると樹幹を歩き回り、凹みなどで静止して前蛹になる。
撮影手記 ひるがの高原や関ヶ原など探し回って、漸く出会うことができた。早朝から雑木林の林道を歩き5m程の棒で木を叩きながら探し飛び出たところを慌てて撮影した。翅表を綺麗に撮影したかったが、あいにくの天候で少し開けかけたところを撮影するのがやっとであった。
参考文献: 検索入門 チョウ@ 渡辺康之 著 HOIKUSHA 保育社