チャマダラセセリ Pyrgus maculatus   蝶の生態写真」より許可を得て転載 

ミツバツチグリに吸蜜するチャマダラセセリ
(岐阜県某所)



ミツバツチグリに吸蜜するチャマダラセセリ
(岐阜県某所)


ミツバツチグリに吸蜜するチャマダラセセリ
(岐阜県某所)

形 態 前翅長12〜16mm。北海道産はやや小型。翅表は黒褐色、第1化の春型は白色斑が大きく、発達する。第2化以降の夏型は大型で、白色斑が小さい。裏面の地色は赤褐色、後翅の白色帯は春型で発達する。♂は前翅表の前縁基半部に茶褐色の性標をもつ。♀は地色が濃く、白色斑が小さい。
出現期 北海道や寒冷地では、大部分が年1回の発生。6〜7月に出現する。暖かい年には2回目が羽化することがある。本州の暖地では、第1回目の春型が5〜6月、2回目の夏型が7〜8月に見られる。四国では年3回の発生を見ることがある。1回目は3月上旬から羽化、2回目が6〜7月、3回目は8〜9月に出現する。高地では年2回になる。
生 態 開けた草原や草地に棲息し、林縁にも見られる。地表を低く敏速に飛ぶ。翅を開いてとまることが多く、ミツバツチグリ、キジムシロ、タチツボスミレ、タンポポ類等で吸蜜する。湿地で吸水したり、獣糞にも集まる。卵は食草の葉裏に1個ずつ産まれる。
食 草 バラ科のキジムシロ、ミツバツチグリ、キンミズヒキなど。
幼 虫 体長25mm。頭部は黒褐色、胴部は黄緑色。頭部は大きく、腹部はずんぐりとした形状。若齢は1〜2枚の葉を糸でつづって巣をつくり、終齢(5齢)になるとさらに数枚の葉を集めて袋状の巣をつくる。おもに夕方から夜間にかけて摂食する。
 備 考 日ごろよりお世話になっている。蝶の生態写真の左合さんのご好意により、2008年に岐阜県で撮影された本種の写真を掲載させて頂きました。 
参考文献:検索入門 チョウ@ 渡辺康之著 HOIKUSHA 保育社
参考文献:フィールドガイド 日本のチョウ 日本チョウ保全協会編