ベニシジミ Lycaena phlaeas

 

ヒメジョンに吸蜜するベニシジミ
(揖斐川町 2015.5.23)
 

ヒメジョンに吸蜜するベニシジミ
(揖斐川町 2015.5.23)

タンポポに吸蜜するベニシジミ
(揖斐郡春日村 2002.4. 6)


形 態 前翅長13〜19mm。季節型があり、春型は前翅表の地色が赤燈色、後翅亜外縁も同色。夏型は黒褐色部が広く、わずかに赤燈色斑がある。また、後翅亜外縁の赤燈色部が春型より狭い。♀は♂よりやや大型。翅型が丸みをおびる。後展表の亜外縁に青色斑をもつ個体があり、とくに春型では目立つ。秋型にも春型のような個体が見られる。
出現期 3月中旬ごろより春型が羽化を始め、11月まで年4〜6回の発生。寒冷地では2〜3回になる。暖地では冬期にも成虫を見ることがある。夏型は7月ごろから出現、その間には両型の中間的な個体が羽化する。また、秋には春型に近いものが見られ、夏型とまじる。各齢の幼虫で越冬する。
生 態 田畑の周辺、草地など明るい環境に棲む。市街地でも見られる。山地にもいるが、あまり多くない。地面をはうように低く飛び、オオイヌノフグリ、タンポポ類などで吸蜜する。長い時間飛ぶことは少なく、すぐに葉表や地上にとまる。♂は占有行動をとり、♀をさかんに追うことが多い。♀は食草にとまると、葉表や茎を歩き回って、卵を産みつける。
食 草 タデ科のスイバ、ギシギシ、ノダイオウ、エゾノギシギシなど。高山帯にもこれらの近似種が自生するが、ベニシジミは分布していない。
幼 虫 体長15mm。緑色で、背線およびふちどりが紅色をおびるものがある。越冬中は濃色になる。
撮影手記 【2015.5.23】
ゼフの探索で揖斐高原を訪れました。ヒメジョオンに吸密する本種が新鮮な個体であったので撮影しました。今回は非常に鮮明に撮ることができ満足のいく写真となりました。

【2002.4.6】
多くのベニシジミが飛んでおり、比較的簡単に撮影することができましたが、慌てて撮影したため、タンポポにピントが合ってしまいました。
参考文献: 検索入門 チョウ@ 渡辺康之 著 HOIKUSHA 保育社