ベニヒカゲ Erebia neriene

日光浴をするベニヒカゲ
(岐阜県某所 2004.8. 6)

 

日光浴をするベニヒカゲ
(岐阜県某所 2004.8. 6)


形 態 前翅長19〜27mm。地色は黒褐色、翅表には橙赤色帯がある。後翅表の橙赤色帯は、北海道産では一般的にはほとんど見られず、本州産はたいてい出現する。帯の広さや、その中の眼状紋の大きさなどに地理的変異がある。♀は緑毛の白色が目立ち、翅表の橙赤色帯の眼状紋が大きい。また、後翅裏面の亜外縁に灰白色帯や黄色帯を持つものが多い。
出現期 年1回の発生。早いところでは、7月上旬から発生する。ふつう、7月下旬から8月にかけて羽化、9月まで見られる。2〜4齢幼虫で越冬する。おもに3齢の場合が多い。
生 態 ジャノメチョウ科では、もっとも陽光を好む種類のひとつ。林縁の草地、高茎草原、ときには崖部にも棲む。北海道では暗い樹林内でも見られる。飛び方は緩やか、草間を縫うように飛ぶ。マツムシソウ、アザミ類、ミヤマアキノキリンソウなどで吸蜜する。♂は地上で吸水したり、人間の汗を吸う。
食 草 イネ科のヒメノガリヤス、イワノガリヤス。カヤツリグサ科のショウジョウスゲなど。
幼 虫 体長25mm。地色は黄褐色や赤褐色。黄褐色のものは、クモマベニヒカゲに似る。
撮影手記 撮影地のガレ場を登り、草つきを見まわしたところ、何頭ものベニヒカゲが飛んでいた。撮影しようと近寄ると私のTシャツや頭にとまり、愛らしい行動をしてくれた。今日の狙いはコヒオドシだったが、コヒオドシは現れなかった。
参考文献: 検索入門 チョウ@ 渡辺康之 著 HOIKUSHA 保育社